論文タイトル
Surface states on (001) oriented β-Ga2O3 epilayers, their origin, and their effect on the electrical properties of Schottky barrier diodes
発行日
2020年3月
概要
ハライド気相成長(HVPE) β-Ga2O3 (001)エピタキシャル層の表面準位を、Cr、Cu、Ni、Auショットキーバリアダイオードを用いて、ショットキー障壁高さ(SBH)を金属の仕事関数の関数として決定することにより調査しました。HVPE成長エピタキシャル膜のSBHは、1.2 eVから1.35 eVの間にほぼ固定されていることがわかりました。フェルミ準位のピニングの位置はβ-Ga2O3のエネルギーバンドギャップ内の酸素空孔[VO(III)]の準位(EV +3.57eV)と良く一致しており、フェルミ準位のピニングが酸素空孔型表面準位によるものであることが示されました。β-Ga2O3 (001)基板ではフェルミ準位ピニングの影響は比較的小さく、HVPE成長により酸素空孔準位が生成されていることがわかりました。また、本研究ではβ-Ga2O3 (001)エピタキシャル層上のSBHに対してこれらの表面準位が与える影響を明らかにし、文献で報告されているSBH値のばらつきの原因について説明しました。これらの結果に加え、表面状態密度が低いエピタキシャル層では、ビルトインポテンシャルの上昇と逆方向リーク電流の減少が見られ、β-Ga2O3 (001)ショットキーバリアダイオードの特性に対する表面準位の影響の直接的な証拠を示すことができました。