論文タイトル
Effects of Oxygen Annealing of β-Ga2O3 Epilayers on the Properties of Vertical Schottky Barrier Diodes
発行日
2020年1月17日
概要
エピタキシャル成長直後及び成長後に酸素アニールしたβ-Ga2O3 (001)エピ層上に作製した縦型ショットキーバリアダイオード(SBD)の電気特性を調べました。成長直後のエピタキシャル膜上のSBDは異常な逆方向リーク特性を示しました。一方、酸素を含む雰囲気でβ-Ga2O3エピ層を40分間アニールすると、逆方向リーク電流が大幅に減少しました。SBDのオン抵抗(Ron)は、20分までのアニールでは成長直後の試料に非常に近く、40分アニールではほぼ25倍に増加しました。酸素空孔型の表面準位を仮定した逆方向トンネルのシミュレーションにより、異常な逆方向リーク特性が生じる原理を解明しました。アニール中の酸素の拡散により、まず酸素空孔型表面準位がパッシベートされ(アニール時間20分)、その結果Ronの変化はほとんどなく逆方向リーク電流が2桁減少しました。さらにアニールを続けると、エピ層のキャリア濃度が3.3×1016 cm-3から2.9×1015 cm-3に減少し、その結果逆方向リーク電流とRonの両方が大きく変化しました。このように酸素アニールは、表面準位のパッシベーションと、β-Ga2O3 SBDの逆方向リーク電流を低減するためのキャリア濃度低減に有効な技術であることが示されました。
リンク
https://iopscience.iop.org/article/10.1149/2162-8777/ab682b